初級 露出の仕組み |
カメラについての最低限の知識を得ましょう。
露出とは写真の明るさのことです。
写真を撮るという行為は、レンズを通過した光をCCDに当てるという行為です。
CCDに到達する光の量をコントロールするものが2つあって「絞り」と「シャッタースーピード」です。
絞り・・・F
人間の目の瞳孔と考えてください。
絞りが開いている状態は瞳孔が開いている状態と同じでたくさんの光が通過します。
絞りが閉じている状態は瞳孔が小さくなっている状態と同じで少ししか光が通過しません。
この絞りの閉じ具合を数値化したものがF値で、
F値が小さいと少ししか絞りが閉じてないのでたくさんの光が通過します。
F値が大きいとたくさん絞りが閉じているので少ししか光が通過しません。
(※言葉だけ見ると逆のイメージなので注意してください)
例)液晶上にF4とかF8という数値が表示されますが
F4の方がちょっとしか絞りを閉じてないのでたくさんの光が通過して明るい写真になります。
F8のほうがたくさん絞りを閉じているので少ししか光が通過せず暗い写真になります。
シャッタースピード・・・SS
シャッターは人間のまぶたと考えてください。
シャッタースピードが早い状態は一瞬しかまぶたを開いていないので少ししか光が通過しません。
シャッタースピードが遅い状態はずっとまぶたを開いているのでたくさんの光が通過します。
例)液晶上に1"とか1/60とか1/250という数字がでます。
単位は秒で1"=1秒まぶたを開いているほうが1/250秒まぶたを開いているよりたくさん光が通過するので明るい写真になります。
更に光を受け取る側のCCDの感度も影響します。これがISO感度です。
ISO感度が低いというのはCCDが光に鈍感な状態で反応するために光をたくさん必要とします。
ISO感度が高いというのはCCDが光に敏感な状態で少しの光で反応します。
例)ISO200の方がISO100より敏感なのでレンズを通過してきた光の量が同じならISO200の方が明るい写真になります。
以上の3つの組み合わせで写真の明るさが決定されます。
写真に与える影響 |
「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」は写真の明るさを決めるだけでなく写真表現にも影響します。
「絞り」・・・絞りを開けた状態=たくさん光が通過する状態=F値が小さい状態
では、ピントの合う奥行きの幅が狭くなります。この状態を被写界深度が浅いといいます。
絞りを閉じた状態=すこししか光が通過しない状態=F値が大きい状態では
ピントの合う奥行きの幅が広くなります。この状態を被写界深度が深いといいます。
例)背景のボケた写真は被写界深度が浅いのでF値を小さく設定して撮影されたものです。
体全体にピントが合っている 被写界深度の深い写真 F値を大きく設定します。 | 目と数本の足にだけピントが合っている 被写界深度の浅い写真 F値を小さく設定します。 |
「シャッタースピード」・・・シャッタースピードが早いと「一瞬」を撮影できます。
動きの早い魚もピタッと止まった写真になりますし、自分が少しぐらいグラグラしていても手振れをしにくくなります。
シャッタースピードが遅いと早い魚はブレてしまいますし、自分が動くと手振れをしてしまいます。
ここまで読むと「シャッタースピードが早いほどいい」と思うかもしれませんが、
わざとシャッタースピードを遅くして残像を写すという技法もあります。
シャッタースピードを早くすると動きの 早い魚がピタッと止まる | わざとシャッタースピードを遅くして 残像を写すこともできる |
「ISO感度」・・・写真表現とはあまり関係がありませんが
ISO感度が低いとたくさんの光を必要とする分CCDは正確に色を読み取り滑らかな写真になります。ISO感度が高いと少しの光で反応する分CCDはあまり正確に色を読み取れずザラついた写真になります。これを「ノイズ」といいます。
ISO感度が高い写真。ザラつきがわかる。 古いカメラほど荒れる | ISO感度が低い写真。 新しいカメラは高感度でも荒れない |
ここまでが基本中の基本!以上の理屈を全部覚えるところからスタートです。
※物凄く噛み砕いた表現で書いてあるので、厳密に見ると言葉の使い方が正確でない箇所もあります。