中級 背景

初級までで、被写体にピントを合わせ、被写体を適正露出で撮影できるようになりました。
中級からは背景についても考えましょう。

まず被写体と背景は別々に考えましょう。
「背景の露出」「被写界深度」「背景を構成するものの美しさ」などが重要な要素です。

例1)岩の表面に被写体がいて背中側から撮影した場合。
レンズから被写体までの距離と、レンズから背景までの距離にほとんど差がないので
被写体も背景もストロボ光で撮影することになります。この場合は被写体と背景が一体になり平面的な写真になりますから、別々に考える必要はありません。

フラットな写真になり、背景も
ストロボ光で撮影されています
少しでも角度をつければ、写真の中に
奥行きが出来ます

例2)被写体の背景が水になる場合。
水はストロボ光に影響されないので、どのくらい自然光を残すかで印象が変ります。

背景の自然光を残し水の青を表現する「青抜き」。その場の明るさにも寄りますが、F値を小さくシャッタースピードを遅くします。被写体にも自然光が残っているためストロボの発光が弱い。

背景の自然光を完全に消す「黒抜き」
F値を大きく、シャッタースピードを早くします。
被写体に当たっている自然光もカットしているため、ストロボが強く発光している。

例3)被写体の背景をシャープに写すのか、ぼかすのかで印象が変ります。
F値を大きくして背景にもピントを合わせると、フラットな写真になるが、背景のディテールも表現できる。F値を小さくして背景をぼかすと、奥行きができて被写体が浮かび上がるが、背景のディテールは表現できない。

例4)背景が美しくなるような場所で撮影する。
背景に何もなかったり、背景が砂や岩だと生物を撮っただけの写真になりやすい。背景が美しい場所で撮影したり、綺麗に処理をすれば絵画的な意味が加わる。

例5)岩の表面に被写体がいて正面や横から撮影。背景の割と近くに岩がある。
こんな時は、背景の岩に当たるストロボ光と自然光の割合を調整することで印象がかわります。
背景までストロボ光が届いているので、岩や砂の色まで再現されている。自然光をカットすることでこうなる。(黒抜きと同じ手法)シャッタースピードを遅くすることで自然光が残り、その分ストロボ光が減っているので背景に青味が残っている。(青抜きと同じ手法)

背景の処理の仕方で写真の印象がガラリと変ってしまいます
その印象をコントロールするためにはMモード(=マニュアルモード)が必要になり
画像をチェックしながら微調整することで自分が好きなイメージに近づけることが出来ます。