中級 ホワイトバランス

ホワイトバランスについても「正解」というものはありません
「初級 ホワイトバランス」で水中ホワイトバランスでは違和感が出ると書きました。
ストロボの光が当たることで被写体が必要以上に赤くなる。水の色に赤が加わって紫色になる、の2点が理由でしたが、水の色を青ではなく白く表現したいときでストロボを使う必要がないときなら、
あえて水中ホワイトバランスを使うという選択肢もあるんです。

そこで、ホワイトバランス=WBについて理解しましょう。

一概に白と言ってもいろんな白があります。
例えば白い紙を見ているとき、太陽の下で見れば黄色っぽくなりますし、
夕日で見れば赤っぽくなりますし、水中で見れば青っぽくなります。
ですが、そこに存在してる紙の白は同一なわけです。
そこで、その紙本来の白を再現するために、当たっている光の質を確定させ色を補正するのがWBです。

光の質は色温度というもので数値化されていて、ケルビンと言う単位を使います。
色温度の高い世界は水中のような青白い世界です。
そこでカメラのWBで色温度を高く設定すると本来の色を出すために赤方向に補正がかかります。

色温度の低い世界は電球に照らされたような赤っぽい世界です。
そこでカメラのWBで色温度を低く設定すると本来の色を出すために青方向に補正がかかります。

カメラによって微妙に設定値は違いますが
日陰 7500ケルビンぐらい
曇天 6000ケルビンぐらい
晴天 5400ケルビンぐらい
蛍光灯 4000ケルビンぐらい
電球 3000ケルビンぐらい
高級機になると100ケルビン刻みで自由に設定できます。

その日の天候や深度によって違いますが、水中が14000ケルビンぐらいの世界としましょう。
WBを14000ケルビンに設定すれば完全に青が消えて赤が復元されます。
これが水中ホワイトバランスの正体。
逆に、例えば2000ケルビンに設定すれば、青補正がかかるのでさほど青くない海も綺麗な青になったりします。

一般的に水中ストロボは5300ケルビンぐらいの色温度なので、WBを晴天に設定すると被写体本来の色が再現されるわけです。

設定例1)浮遊物が多く、寄れない被写体の場合ストロボを炊くことがデメリットになります。
ストロボをOFFにすると青被りがひどいので少しでも軽減させるために10000ケルビンぐらいに設定する。

設定例2)被写体が銀色のアジやカマスだとします。自然光が被写体に残っていて少々青の色が実際の海と変っても違和感が出ない場合。水を綺麗な青にするために4000ケルビンぐらいに設定する。ただし被写体が白い生物だとかなり違和感がでます。