中級 構図

写真表現の重要な要素として「構図」があります。
「構図」によっても写真のイメージは多きくかわってしまいます。

 横位置と縦位置
カメラを横に構えるか、縦に構えるかの違いです。
一般的に生物を撮影するときに横長の生物なら横位置に、縦長の生物なら縦位置になりがちです。
ですが、これをあえて裏切ることで面白いイメージになるかもしれません。
ワイド撮影の場合、横位置だと「海の広さ」を、縦位置だと「海の深さ」を表現しやすくなります。
どうするのが「正解」というわけではないので、背景に応じて自由に使いこなしましょう。

 

 横長の生物なら、横位置の方が上下の余白を少なく出来る 縦長の生物なら、縦位置のほうが左右の余白を少なく出来る

ハゼなどの砂地にいる生物を横位置で撮ると背景全体が砂になりやすい

縦位置にすることで上下に画角が広がるので水を写し、奥行きを作れる

横位置にすることで広がりのある絵になる縦位置にすることで深さを表現できる

 ラインによるイメージの違い
写真の中にできているラインにより印象が変ってきます。
平行ラインを作ることで落ち着いた動きの少ない写真になり、斜めのラインを作ることでスピード感のある動きのある写真になります。

被写体の軸が写真の枠と平行になると
止まったように見える
角度をつけると
動いているように見える

平行ラインだと群れがゆっくり動いてるように見える角度をつけることで群れにスピード感が出てくる

 空間によるイメージの違い
写真の中のどこに空間を作るかで印象が変ってきます。
被写体の進行方向に空間をつくると違和感のない写真になる進行方向の空間が狭いと寸詰まりな感じがし逃げられたような印象になる

前にも後ろにも進める生物だと空間の作り方で印象操作が出来る。この場合は左下に進みそうに見える。

右に空間を作れば右上に進みそうに見える。


 基本的な構図を使ってみる
よく耳にするのが「日の丸構図」「三分割構図」でしょうか。
よく「日の丸構図」否定する人もいますが、それがBESTだと思って使うのなら有りです。
ですが、何でもかんでも「日の丸構図」というのは考え物です。
いくつか例を挙げてみますので、使えそうな場面に出会ったら試してください。

目線を中央に集中させたいときに日の丸構図を使います。シンメトリー(左右対称)で生物のドアップを写すときも日の丸構図は有効

三分割構図。日の丸構図とは違った雰囲気が出る。これも三分割構図。

左下からの放射線を意識した構図中央真下からの放射線を意識した構図

三角構図。写真の中に三角を作る。 三角構図の例。

視線誘導の例。視線誘導の例。

被写体が動かないものなら、ゆっくり構図を考えいろんなパターンで撮影しましょう。
動く被写体や群れなら、自分がポジションを変えていろんな角度から撮影しましょう。