2022/3/18

スヌートいろいろ

 

ストロボかライトか

 
スヌートにはストロボスヌートライトスヌートがあります。
前回ストロボスヌートについて解説しましたが、ライトスヌートも種類が豊富でフィッシュアイ、ビックブルー、RGブルーなどから発売されています。
 
スヌートに限らず、ストロボで撮影するかライトで撮影するかみたいな話になりますが、使い方次第ですね。用途の幅ととしてはストロボの方が広いので僕は98%ストロボを使います。
 
・ストロボ並みに色が再現されるような光量でライトを照らしたら、たいていの生物は逃げます。ストロボは一瞬なので逃げられにくいです。
 
・ライト撮影は液晶で見えてるものが完成形ですが、ストロボは撮ってみないとわからない、ということはあります。ライトの方が楽ですよ、と言われても。。。楽してクオリティー下がるくらいなら難しくてOKです。
 
・「ライトの方がソフトな表現ができます」これは。ストロボの光をライトサイズまで細くして、ライトと同じ光量まで下げれば見分けなんてつきません。要はストロボスヌートで同じような効果が出ます。
 
・決定的に違うのが、ストロボは一瞬光ライトは常時光なので、ストロボを使えばシャッタースピードを遅くしても被写体は止まって見えますが、ライトを使うとシャッタースピードを早くしなくてはいけません。スローシャッターの技法はストロボを使わないと成立しません
 
・3つ以上の光源をミックスさせて撮るような場合はストロボではかなりしんどいです。
 
・補助的な効果を狙うならライトの方が小さいし有利な時もあります。
 
・ブルーライトの色はストロボにフィルターかけても再現できないんじゃないかな~?
 
ストロボスヌートとスローシャッターとブルーライトの合わせ技。
ライトスヌートでは不可能です。
 
 

オプティカルスヌートとただの筒

 
ストロボスヌートは2種類に分かれます。
筒の中に集光レンズが入っている「オプティカルスヌート」「ただの筒」です。
 
まずオプティカルスヌート
 
リア側のレンズで光を集めフロント側で更に集束させます。焦点距離のところで一番明るくなり綺麗な輪郭の円形を作ります。焦点距離のところから遠くなれば輪郭はボケていきソフトな感じになります。焦点距離のところより近づくと光にムラができるスヌートもあるので注意が必要です。照らす面積は内蔵の絞り羽で調節したり、大きさの違う穴の開いたプレートを差し込んで調節します。
  
このタイプは
Marelux S-OFT(スマートオプティカルフラッシュチューブ)(絞り羽内蔵型)
Retra LSD(ライトシャーピングデバイス)(プレート差し込み型)
Scubalamp OSD(オプティカルシャーピングデバイス)(絞り羽内蔵型)
Backscutter(プレート差し込み型)
呼び方は様々ですが、要はオプティカルスヌートです。
絞り羽内蔵型に慣れるとプレート差し込み型はちょっと面倒くさい。。。
 
スヌートに内蔵された絞り羽光の面積を決めるプレート
 
 
一方ただの筒
 
集光させてない光を細いところに通すということは、パワーの一部しか使っていないことになり、それだけでかなり減光します。スヌートの先端から光が拡散し、更に減光が始まります。漏斗などを使って自作したスヌートが使い物にならない理由はここです。明るさを稼ごうとしたら限りなく生物にスヌートを近づけるしかないので逃げられる率もUPします。
 
このタイプは
INONスヌート
SEA&SEAスヌート
これでは日本でスヌートが流行るわけありませんね。
 

アイデアと技術で勝負

 
①  ② ③
 
①この程度のクオリティーでよければ「ただの筒」でもいいでしょう。
②背景を黒く塗ってるわけではありません。撮って出しです。ここまでクオリティー上げよとしたら光軸と面積が完全に一致する機材が必要です。狙いが2mmずれてもダメでしょう。
③スヌートだから黒抜きとは限りません。青抜きだってできます。この場合は水の青抜きではなく、青被りした地面の青抜きです。
 
④ ⑤ ⑥ 
 
④ボロカサゴの向こう側からブルーライトで、手前から2つのスヌートで撮影。スヌート1つだとカバーする範囲が狭いのと、影がきつくなるからです。
⑤撮影者が必要と思った部分だけ浮き上がらせる。モンハナシャコを「いかつい」と感じたらスヌートはそのような表現に向いています。
⑥「エスカ振ってます」と説明しないと気付いてもらえないくらい存在感のないエスカ。スヌートで黒抜きにすることによって際立ちます。
 
 ⑨
 
⑦生態シーンにも使えます。ただ事実を撮っただけの生態シーンの上を行きましょう。
⑧ワイドにだって使えます。正確にはワイドマクロということになりますが、フィッシュアイレンズで撮影してます。
AARON WONG氏の作品。おそらく左からライト、右からストロボで照らし、1枚の写真の中に「動」と「静」が混在しています。ライトスヌートとストロボスヌートを同時に使うことでマクロでもそのような表現ができるかもしれませんね。
 

PR

 
↑↑↑
スヌート技術を学びたくなったらこちら!
↑↑↑
スヌート撮影をしたくなったらこちら!